- 2021.09.05
お茶には、紅茶・緑茶・ウーロン茶などさまざまな種類がありますが、それぞれの違いを知っている人は少ないのではないでしょうか。
じつはもともとは、同じ茶の木から生まれているのです。
今回は、お茶がどのような違いで分類されているのか解説します。
緑茶やウーロン茶好きな方は紅茶にも興味を持って読んでみてくださいね!
反対に、紅茶好きな方は、緑茶やウーロン茶も楽しんでみましょう。
紅茶・緑茶・ウーロン茶の主な違いは2つ
紅茶・緑茶・ウーロン茶は、それぞれ名前は異なるものの、同じお茶であり、原材料は同じです。
学名は「カメリア シネンシス」、和名では「チャ」と呼ばれる常緑樹から摘み取った茶葉から作られます。
では、なぜそれぞれが違うものになるかというと、大きな2つの違いがあるのです。
・発酵度
・製造方法
大きく分けると2つではありますが、さらに細かく分けることもできます。
細かい分類については、こちらのサイトが参考になるでしょう。
それぞれのお茶の違いについて、さらに具体的に解説します。
発酵度による紅茶・緑茶・ウーロン茶の違い
紅茶・緑茶・ウーロン茶の大きな違いとして、発酵度が異なります。
それぞれの発酵度は、以下のように分けられるのです。
- 紅茶……完全発酵
- 緑茶……不発酵
- ウーロン茶……半発酵
発酵度が異なることによって、香りや味わいが変わってきます。
また、菌で発酵させたものが、プーアル茶です。
ちなみに、お茶における発酵というのは、茶葉に含まれる渋みのもとである「タンニン」を酸化させることを指します。
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発酵
一般的には、有機物質が微生物によって分解されること。
茶の場合は、通常茶葉中の酵素の働きにより、葉中のカテキン類が酸化すること。
引用元:日本茶業技術協会『茶の科学用語辞典(第2版)』(2007)
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それぞれのお茶の特徴の違いを、以下でさらに具体的に解説します。
紅茶(完全発酵)
紅茶は、緑色の茶葉が深い茶色になるまで発酵させたものです。
紅茶には、それぞれ「〇〇ティー」という名前がありますが、これは生産国や産地による違いになっています。
たとえばアッサムティーの場合は、インドのアッサム地方で作られている紅茶ということです。
紅茶は、産地の気候や風土によって品質や香味が異なる特徴があるので、極めがいのあるお茶と言えるでしょう。
緑茶(不発酵茶)
緑茶は、酸化酵素を不活性化し、発酵させないようにしたものです。
そのため、茶葉は緑色のままになっています。
生の茶葉を、煮たり蒸したり、炒るなど、さまざまな方法で熱を通して作られるのが、緑茶(不発酵茶)です。
日本においては、蒸して作られることが多いですが、日本以外の国では釜で炒る方法が多いと言われています。
ウーロン茶(半発酵茶)
ウーロン茶は、紅茶と緑茶のちょうど中間です。
発酵を途中で弱め、徐々に停止していくという方法で作られています。
半発酵茶に関しては、ウーロン茶のみを指す言葉ではありません。
大まかに分けると、紅茶(発酵茶)と緑茶(不発酵茶)以外のお茶のほとんどは、半発酵茶となります。
そのなかで一番有名なのがウーロン茶になるのです。
紅茶・緑茶・ウーロン茶作り方の違い
紅茶・緑茶・ウーロン茶の大きな違いとして、製造方法があります。
製造方法によって、それぞれの味わいが異なるのです。
紅茶一つをとっても作り方に違いはあるのですが(オーソドックス製法・アンオーソドックス製法・セミオーソドックス製法)今回は、紅茶・緑茶・ウーロン茶の主な製法の違いを解説します。
紅茶の製造方法
紅茶の主な製造方法は、以下の流れになります。
- 手摘みした茶葉を陰干しする
- 葉をくだいて発酵を促し、揉んで茶葉の形を整える
- 湿度の高い場所で寝かせ、発酵させる
- 乾燥機で乾かす
紅茶の細かい製造方法に関しては、以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。
緑茶の製造方法
緑茶の主な製造方法は、以下の流れになります。
- 葉を摘み取った後、蒸すor炒ることで発酵を止める
- 水分を飛ばした後、こねるように揉む
- 形を整えて乾燥機で乾かす
緑茶は発酵茶であるため、紅茶やウーロン茶と製造方法が異なり、発酵の過程がないのが大きな違いです。
そのため、葉を摘み取った後に、発酵を止める作業が入ります。
ウーロン茶の製造方法
ウーロン茶の主な製造方法は、以下の流れになります。
- 茶葉を摘み取った後、天日干しにする
- 茶葉を寝かした後、発酵
- 釜で炒り発酵を止める
- 専用の機械で茶葉を揉む
- 茶葉を絞りながら形を整える
- 形が戻らないように乾燥させる
ウーロン茶は、半発酵茶となるため、発酵を途中で止める工程が必要になります。
発酵の度合いは製造元などで異なります。
お茶の種類による効能の違い
結論から言えば、お茶による効能の違いは大きく異なりません。
原材料が同じなので、どのお茶にも同じような効能があります。
具体的に効果をいくつか紹介するので、健康効果としてお茶を楽しんでみてください。
また、紅茶の成分や効果については、以下の記事で解説しています。
主なお茶の効能は、以下の通りです。
・胃腸を整える……タンニンとカフェインによる効果で胃液の分泌量が増え、消化を促す
・脂肪燃焼……タンニンの効果で代謝を活発にしてくれる
・コレステロール値の低下……カテキンやアミノ酸の効果でコレステロール値を下げる・タンニンの効果により血圧を下げる効果もあり
・生活習慣病予防……タンニンの効果で生活習慣病予防につながる・カテキンの効果で血糖値の増加を防ぐ
・殺菌作用……カテキンやタンニンには強い殺菌効果があるため、風邪などの予防にも効果が期待できます
・疲労回復……カフェインやアミノ酸の効果により、自律神経や筋肉を刺激
・集中力アップ……血液循環を促す作用があるため、集中力アップや眠気覚ましの効果がある
・アンチエイジング……タンニンやビタミンによる抗酸化作用により、老化の原因となる活性酸素を減らす
紅茶の違いを知る楽しみ方
お茶、原材料が同じなのにも関わらず、発酵度合いや製造方法によって、どのお茶になるのか異なります。
普段飲んでいる紅茶や緑茶が、元は同じ葉から作られていると思うと、ちょっと違った楽しみ方ができるでしょう。
また、紅茶に関しては、さらに製造方法や産地によってさまざまな種類に分けられ、味も香りも異なります。
緑茶やウーロン茶との違いを楽しむのも良いですが、紅茶だけでも多くの種類があるので、ぜひ紅茶の茶葉による違いも楽しんでみてください。
ちょっとした茶葉の違いを知るだけで、紅茶の楽しみ方は何倍にもなるので、自分の好みの紅茶を探しながら、茶葉の産地や製造方法についても調べてみると良いでしょう。
紅茶を知ることでより紅茶を楽しめます
紅茶・緑茶・ウーロン茶の違いを知ることで、さらにそれぞれのお茶への興味が湧いたのではないでしょうか。
このように、製造工程や茶葉の違いを知ることは、紅茶を楽しむための一つの方法です。
おいしいお茶を味わうためにも、知っておいて損はないでしょう。
紅茶に関しては、茶葉による違いが大きいので、ぜひ今回の記事を参考に、紅茶についてもっと探ってみてください。
また、どのお茶にも言えることですが、淹れ方にこだわるだけでも味や香りは異なるものです。
本来のお茶の味を楽しむなら、淹れ方も学んでおくと良いでしょう。
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