- 2023.05.03
皆さんは、紅茶のことをなんと呼んでいますか?
「紅茶」とそのまま言う方もいるかと思いますが、その他にも「ティー」と言う方もいらっしゃいますよね。
このように紅茶と言っても呼び方は様々です。
そして、ルーツを探っていくと紅茶には「チャ」と「テ」という2つの呼び方に分かれます。
今回は、なぜそのように2つの呼び方があるのかについて、お話していきます。
茶の歴史
まずは、茶の歴史からひも解いていきましょう。
まず、お茶が最初に発見されたのは、紀元前2700年頃。
近年の研究では、お茶の貿易は2000年以上前から行われていたという報告もあり、シルクロード経由でお茶という言葉が広まっていったと言われています。
そして、茶が広がっていくと共に、様々な地域で「cha」や「chay」「chai」などと呼ばれるようになっていきます。
「チャ」は陸路で広まったルーツ
先述したように、「チャ」は広東語がルーツとなっています。
当時は様々な呼び名があったそうですが、唐代以降「チャ」で統一されていたそうです。
そして、この「チャ」は唐の時代に、茶と馬を交換するための交易路「茶馬古道」を通じて、各地で伝わっていきます。
ちなみにヨーロッパ諸国の中でポルトガルだけは、唯一「チャ」と発音する国です。
これは、当時ポルトガルが広東省のマカオを統治していたため、広東語系列の呼び名となったためと言われています。
日本は陸路から海を渡って
日本では、ご存じのとおり「チャ」と呼ばれていますね。
つまり、日本の「チャ」のルーツは、広東の系列にあたる言葉が陸路を経て、海を越えて伝えられたものだと考えられます。
ちなみに、日本にお茶が伝わってきたのは平安初期だと言われています。
『日本後紀』でも、遣唐使の僧・永忠が嵯峨天皇にお茶を献上した話が残っています。
「テ」は海路で広まったルーツ
「テ」または「ティー」という呼び方は「閩南語(びんなんご)」と呼ばれる言語の「テー」がルーツとなっています。
これは、中国福建省の廈門(アモイ)の方言です。
このアモイの言葉というのが、ネックになっていくんです。
お茶は、7~8世紀にアジアに広がり、16~17世紀に世界へと広がっていきました。
このとき、茶の輸出基地になったのが「アモイ」なんです。
そして、アモイからヨーロッパへ茶が広まっていくわけですが、その中で「テー」という言葉も伝わっていったのです。
世界のお茶の呼び方
では、世界での茶の呼び方について見ていきましょう。
それぞれのルーツを知った上で見ると、どこの国とどこの国が関わっていたのかがわかりますよ。
- ・広東:チャ
- ・朝鮮:チャ
- ・日本:チャ
- ・モンゴル:チャイ
- ・イラン:チャ
- ・トルコ:チャ
- ・ギリシャ:チャ
- ・ロシア:チャイ
- ・ポルトガル:チャ
- ・アラビア:シャー
つまり、これらの国は、広東語のルーツであり、陸路から伝わっていったということがわかりますね。
次に、海路で広まったとされる国々の茶の呼び方は、次のとおりです。
- ・福建:テ
- ・スリランカ:テーイ
- ・南インド:テイ
- ・オランダ:テー
- ・イギリス:ティー
- ・ドイツ:テー
- ・フランス:テー
- ・イタリア:テ
- ・スペイン:テー
- ・デンマーク:テ
ヨーロッパの国々は、海路から広まっているので、ほとんどが「テ」です。
ルーツから楽しむ紅茶の世界
紅茶の呼び方には、今でも「チャ」と「テ(ティー)」に二分されます。
もちろんどちらも茶であることに変わりはありません。
ただ、紅茶の長い歴史やルーツを辿ってみるとまた新たな紅茶の世界が見えてきますね。
ルーツを知った上で紅茶を飲んでみると、新たな楽しみに繋がるかもしれません。
今あなたが飲んでいるのは「チャ」と呼ばれるものなのか「テ」と呼ばれるものなのか、そんなことも考えながら紅茶を楽しんでみてください。
紅茶時間でゆったりしたリラックス時間を過ごしましょう
今回の茶の呼び方は、「紅茶の味」とは関係のないものですが、このようなことを考えながら紅茶を飲むのも、一つの楽しみ方です。
ゆったりした時間に紅茶の香り嗅ぎ、味を楽しみながら、ルーツや歴史について想像してみてください。
とてもリラックスできて、癒される時間になりますよ。
もちろん「紅茶を楽しむなら文化や歴史も勉強しておきましょう!」ということではないので、安心してください。
あくまで、紅茶を楽しむ上での一つの楽しみ方として、参考にしてくださいね。
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